三澤 君 ≫≫ 新潟大学(法)合格/ 高崎商業高校卒

現役時 センター5-7で57%、
一年後 センター5-7で72%!

三澤 君 ≫≫ 新潟大学(法)/ 高崎商業高校卒


学ぶというのは何なのか? 学ぶ意義は? 学問とは何か? 大学受験という枠組みに囚われず、物事の核心に迫り、学びを得ようとする姿勢の受験生が、果たして全国にどれくらいいるだろう? 点数に囚われず、模試の結果に一喜一憂せず、本質の理解を試みる学生が、どれくらいいるだろう?

三澤の受験勉強の意義は、まさにそこにあった。

「ただ問題を解いて、合ってたら満足する、みたいなのが自分の性に合わなかったんです。例えば英語なら、ただ長文を解いて満足するのではなく、この筆者は何を言いたかったのか、結局この話は何を伝えたかったのか、そこを追及するのが学ぶことの意義であり、受験勉強の本質なんじゃないかと思います」

大学受験を終えて半年後、校舎に足を運んだ三澤はそう語った。

商業高校を卒業して浪人という道を選ぶというのは、文字通り茨の道であり、進学校で3年間過ごした周りの受験生との差は決して小さくない。周囲からの反対はあったが、背中を押してくれる高校の担任と両親の応援もあって、三澤は自らそこに足を踏み入れていった。

推薦で高崎商業へ入学。文字通り、部活漬けの毎日で、勉強は殆ど手につかない。卓球をやりに高校へ通っているようなものだった。

就職活動をする友人。指定校で進学する友人。ほとんどがその2択だった。そんな環境にいながら、国公立大学を志望していた。かねてから、新潟大への気持ちが強く、そこ以外に目は行かなかった。現役でダメなら浪人しようと考えていた。

そして始まった浪人生活。本人曰く、最初の1~2か月が一番辛かったという。

「慣れないというか、周りに流されて勉強してました。予備校に行ったらもう勉強するしかない。その日その日をとりあえず乗り越えていこうと。幼稚園からの友人だったS君の存在が大きかったですね。今になって思うのが、よくあそこまで勉強に打ち込めたな、と。自分でも不思議なくらいです。やっぱり周りの環境は大事だと思います」

ただ惰性で講座を進めたり、英単語を丸暗記している友人とは違い、三澤は常に物事の核心に迫ろうとしていた。「1つの単語に複数の意味があるのはなんでだろう?」「なぜ現在完了形でhaveを使うのか?」「なぜこの争いが起きたのか?」など、それぞれの受験科目の根幹を探ろうとしていた。ただの暗記ではなく、その奥にあるものを追及していった。常に学びを得ようとしていった。

構文Ⅳの授業で学んだ内容を、口頭テストで自分のモノにしていった。目の前で詰問されることで、自分の理解不足に気づくことができた。このテストをこなすことでなんとなく英文を読むことがなくなり、丁寧に読む癖が付いていった。そこで培った力を、B組(長文読解講座)で発揮していく。だんだんと、英語への苦手意識が薄れていく。

その勉強の成果が出たのは、10月の模擬試験。現役時代のセンター試験で6割にも満たなかった英語が、ここで8割を超えた。最初は30点台だった世界史が、6割台なった。本質学習の成果が、だんだんと目に見える形で表れてきた。全てが順調に見えた。

-しかし-

自身も成長を実感していた矢先に、現実を突きつけられる。記述型に慣れない中での河合塾記述模試。英語で55/200。国語で(現古漢)で56/200。どちらも45に満たない偏差値。

「これが俺の実力か、、、」

それまでの成績が順調に伸びていただけに、この模試結果がリバーブローのように三澤にダメージを与えていった。4月から順調に築き上げていた自信と勉強リズムが崩れかける。

そんな心持で臨んだ河合塾センタープレ。自己ベストだった10月東進マークよりはるかに高い数字が並ぶ。5-7で63%。この試験結果が、三澤にとってかなりの自信となった。
前の走者との距離をジリジリと詰める駅伝ランナーのように、だんだんと新潟大のボーダーに迫っていった。

12月の東進最終12月模試。結果は不発。5-7で55%。新潟大なんて夢のまた夢という点数。しかしながら、最後の模試で結果が伴わなくても三澤は至って平常心だった。

「模試結果に振り回されちゃだめだ。模試なんてたかが練習試合だろう。良くても悪くてもすぐに切り替えて次に進もうじゃないか」

センター前日。校長からのメッセージに目の前が霞んだ。1年間やってきた思いが込み上げてくる。靄が次第に晴れていくように、不安が消し飛んでいく。あとはやるだけだ、と自分に言い聞かせる。

試験会場に幼馴染のS君がいたのも精神的な助けになった。会場内で笑いあう二人。彼がいてくれたおかげで、いつも通りの自分で臨むことができた。

おそるおそる自己採点をする。5-7で72%。自己ベスト。バンザイシステムで新潟大がB判定。躊躇せず出願を決めた。

私立は1つも出願せず、新潟大に対策を絞る。毎日英語と小論文に取り組み、問題傾向に慣れていく。英語の本質に迫りながら作文の技術を学ぶ英作文の授業は実に愉しく、これまで三澤が取り組んできた本質学習との相性は絶大だった。自身の中の英語の世界観が広がっていくのを実感することができた。

迎えた合格発表日。家のパソコンの前に座る。部屋には自分ひとり。震える手でマウスを掴み、合格者発表ページに進む。

「受かったあああああああ!!!!!」

自分の番号を発見し、そう叫んだ。叫ばずにはいられなかった。1年間の苦労が一瞬で溶解し、三澤の中で混じり合っていった。喜ぶ母親の目には、うっすらと涙が浮かんでいた。少なくとも、三澤にはそう見えた。

物事の本質を追及し続けた三澤の一年は、第一志望合格という文字で幕を閉じた。

<高田より>
1年間本当にお疲れさまでした。「なぜそうなるのか?」を追及する三澤君の姿勢は、ぜひ後輩たちに学んでほしいところです。爪の垢を煎じて飲んでほしい。年々いろんな生徒を見ていますが、三澤君のように理屈をしっかり押さえ、ものごとの根幹にあるものを理解しにいく姿勢の生徒はやはり強い。心からそう思います。常套句になってしまいますが、大学受験はただの通過点であり、受験勉強を通じて身に着けた考え方が、これからの数十年間の礎になるはずです。それは疑いようがありません。

この1年で鍛え上げたその姿勢が、この先の人生で活かされることを切に願っています。

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