現役時、前高で180番付近。センター5-7で67%。
一年後 センター82%。2年後 山形(医学科)合格。
前村 君 ≫≫ 山形大(医学科)/ 前橋高校卒
前橋高校へは剣道実績を買われての前期合格。入学直後の成績は学年120位だった。そこからずるずると落ちていき、高2~卒業まで180位付近で安定していた。前橋高校は医学科受験者が毎年40人近くいて、現役合格者が約10人。合格可能性があるのは学年60位以内と言われていた。180番付近の生徒が医学科志望を掲げるのは戯言扱いされる空気であった。 高3冬のセンター模試では60~63%で安定。本番はラッキーで物理が当たり、自己ベストの5-7 トータル67%だった。この時点で、前村は浪人を決意していた。記念受験で山形(医)を受験し浪人生活へ入る。
「何浪までかを決めておけ。2浪でも国立医は厳しい。私立医なら可能性があるかどうかだぞ。」
高校の担任に卒業時にこのように告げられた。前村はこのアドバイスを真摯に受け止めた。「言葉だけをとると怒りの感情が湧く人もいるかもしれないけど、自分は冷静に受け止めました。在学中の学年順位と現役合格実績、その後の1浪・2浪以上の医学科合格データーから裏打ちされた発言なのだから。」これを受けて前村は「2浪まで頑張る」と決めて予備校選びを開始した。大宮のSとKを見学し、その後、東進と小野池の説明会に参加した。東進表町校への入学の決め手は拘束制度だった。大宮は通学時間が長すぎるし、駅前で誘惑に負けてしまう可能性がある。
4月から東進で全力の学習生活が始まる。友人も多くできた。1年目に重視したのはセンターの得点率。全教科東進の講座を受講し、模試が近づくと全ての受講をストップして総復習をかけた。だが6月のマークでは得点が上がらず、かなり落ち込んだ。2か月これだけやって基礎学習が進んだのに得点に反映されない。〝全力で学習したのに伸びない“という事実が ボディーブローのように前村の心を蝕んでいった。8月のマークでもそれほど変わらない。10月に受講が終わりに差し掛かり、センター演習を開始したときにある変化に気づいた。制限時間以内で全ての大問に手が出せる状態になっていたのだ。直後の10月マークで5-7において100点以上の伸びが来た。暗記ペアで単語に強くなったこと。丁寧な受講で正確な理解、思考回路の組み立てを行ったこと。模試の直前は総復習をかけること。映像学習ならではの学習方法が大きな成果となって表れた。その後の模試も自己ベストを更新して、迎えたセンター本番。5-7トータルで82%を叩き出した。もちろん医学科合格には厳しいが1年間で15%も伸ばせたことに手ごたえを感じていた。
2年目に入る際に、再び前村は多くの予備校を見学した。医学科専門の予備校もいくつか見学してしたが最終的にはまた東進表町校を選んだ。“拘束制度・一時停止受講によって1年間で大きく伸びたこと“が決め手だった。ただ、2年目は学習法をいくつか変更した。1年目はセンターの対策に重きを置いてきたが、2年目は二次試験対策をメインにした。授業も難関講座になり、英語では音読方法を工夫し、赤本から逆算を常に行い問題集で補完したりもした。マーク模試直前に行ってきた総復習も今年は簡略化する事にした。 ただし、一貫して 〝丁寧な受講と丁寧な復習“は重視した。もちろん1.5倍速受講は一度も使わなかった。いたずらに問題集を増やさず、テキストを何周もやりこみ完璧に仕上げるという方針で学習し続けた。閉館時間まで学習し、教室を最後に退出することが日課だった。
2年目のセンター本番。全体で3%難化の中でのトータル85%。山形のボーダージャストだった。センターリサーチではボーダーを超えている国医の他大学もあったが、二次の対策を十分に重ねてきた山形で勝負をすることにした。そこから始まる私立医受験。ここで前村はいくつも合格を重ねた。 「私立医が取れるなら、二次も戦える」そんな手ごたえを掴みながら前期試験を迎える。
2月25日。
「かなりの手ごたえがありました」と前村。対策してきたことが実を結んだ。
そして運命の3月6日。11:00。自宅にて山形大のHPの画面を開く。
この時刻、この空間で、PCの中の山形大の発表画面 ― 3度目の光景だった。
ただ、〝最後の入試“〝手ごたえを感じて迎える今回” は、それまでの2回とは緊張感が違った。恐る恐る操作をする・・
あった!!!
何度確認しても番号がある。母の目には涙が浮かんだ。その後、親戚、知り合いに電話をかけ始める。前村は校舎へ直接報告するために向かう。2年間通ったこの道が今までと違って見えた。―完―
<前村君から後輩へ>
前高、高高で自分の順位ぐらいの人(もしくはセンターが60%台の人)が医学科を目指すなら、「普通にやっていてはダメ」だと思います。ここでいう普通は「与えられたカリキュラムをこなすだけの学習」です。‟しっかりとした理解をつくる“、〝暗記から逃げない”・事はもとより、学習法を一定期間真剣に試す・自分に合うか検証する・赤本からの逆算を意識する のどれが欠けても受からなかったと思います。自学教材を増やすという意味ではありません。予備校テキストを自分なりの使い方(復習のやり方)を模索して、信じて続けることだと思います。